2008-01-08

Monica Vitti & Terence Stamp 1966


「唇からナイフ」 Modesty Blaise (1966英ジョセフ・ロージー)より
“The End (We Should Have)”(1:33)



長編第1作の「緑色の髪の少年」(1948)以外面白いと思ったことがないジョセフ・ロージーの作品。映画マニアからの嘲笑を浴びてもいい。わからんモンはわからんのじゃ。そんな中でちょっと毛色の変わった作品がこれ。原作がイギリスの新聞連載のコミック・ストリップしかもスパイものとあっては、観客は痛快娯楽作を期待しようというもの。ところがロージーは一筋縄ではいかない。笑いのポイントが謎な作品で、同系列の作品でいうと個人的に大好きな古い方の「カジノロワイヤル」(1967英ジョン・ヒューストンほか)などとは大違い。とにかく変だというしかない。

アントニオーニの「情事」(1960)で元祖アンニュイ女優として有名になったモニカ・ヴィッティと「コレクター」(1965英米ウイリアム・ワイラー)などで変態・性格破綻者役専門の俳優というイメージが強いテレンス・スタンプの共演。このキャスティングはいい。しかし歌は如何なものか。この絶望的に下手なデュエットはご愛嬌として看過すればいいのだろうか。お世辞にも味があるとはいえないシロモノで笑えもしない。困ったものだ。作曲者のジョニー・ダンクワースは英国のジャズマン。歌に入る前のスコアも彼が担当している。いいアレンジだけに歌との落差が残念に思えてならない。これこそ「吹き替え」にすればよかったんじゃない?

●モニカ・ヴィッティのフィルモグラフィ
●モニカ・ヴィッティ @ Wikipedia
●テレンス・スタンプのフィルモグラフィ
●テレンス・スタンプ @ Wikipedia
●ジョニー・ダンクワースのフィルモグラフィ
●ジョセフ・ロージーのフィルモグラフィ
●ジョセフ・ロージー @ Wikipedia

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