2007-09-13

Elvis Presley 1958 vol.1

「闇に響く声」King Creole (1958米マイケル・カーティス)より
『キング・クレオール』King Creole (2:07)

「闇に響く声」King Creole (1958米マイケル・カーティス)より
『ニュー・オーリンズ』New Orleans (1:57)

「闇に響く声」King Creole (1958米マイケル・カーティス)より
『君と生きる限り』As Long As I Have You (1:43)

「闇に響く声」King Creole (1958米マイケル・カーティス)より
『ラヴァー・ドール』Lover Doll (2:08)



「監獄ロック」(1957)に続く第4作目(主演第3作目)の映画。エルヴィス自身が最も好きだった作品とも伝えられている。エルヴィス映画で唯一鑑賞に堪える映画と評する人もいるが、エルヴィス映画を全て観たわけではないのでそこまではわからない。しかし、音楽的にはなかなか充実した作品ではないかと思う。

ニューオーリンズを舞台としたストーリーということで、ディキシーランド・ジャズっぽい味付けを施すなど若干の冒険的と言えなくもない試みもしていて、なかなか聴かせる。それよりも問題なのは、入隊前の最後の作品だということである。

一般的に除隊後のエルヴィスは駄目説が根強くある。軍隊が彼から反抗的なイメージを拭い去ってしまったというもっともらしい俗論。マネージャーのパーカー大佐がエルヴィスを契約によってハリウッドに釘付けしてしまったため、音楽的な発展性を阻害されてしまったという同情論。それにも関わらず60年代にも「天才エルヴィス」はイイ仕事も残してるよというお宝埋蔵論。いずれかを是とする、あるいは新論を立てる力量を持たぬので判断は留保するが、軍隊への入除隊がターニング・ポイントになったというのは確かなのだと思う。


『キング・クレオール』:『監獄ロック』や『ハウンド・ドッグ』(オリジナルはビッグ・ママ・ソーントン)の作者ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのコンビによる曲。セカンドラインを高速にしたようなビートが面白い。おそらくスコティ・ムーアが弾いているであろうリード・ギターをエルヴィスが弾いてるような演出はちょっと興ざめ。ジョーダネアーズのコーラスがこの曲にはハマっている。
『ニュー・オーリンズ』:『ブルー・レディに赤いバラ』の作者で知られるシド・テッパーとロイ・C・ベネットのコンビの曲。ホーンがディキシーランド・ジャズしている。
『君と生きる限り』:フレッド・ワイズ(作詞)とベン(ジャミン)・ワイズマン(作曲)コンビのバラード。ベンジャミンはボビー・ヴィーの『夜は千の眼を持つ』で知られた作曲家。ファンには人気の高い曲らしい。
『ラヴァー・ドール』:ウェイン・シルヴァーとアブナー・シルヴァーのコンビの曲。この2人については何も知らないが、ちょっと面白い曲だと思う。Aメロが循環コード(ガーシュインの『アイ・ガット・リズム』の進行)なので古い世代の作曲家なのだろうと思うが、Bメロ(サビ)で50年代後半当時の当世風になるという構造になっている。エルヴィスの鼻歌風の力の抜けたヴォーカルもイイ湯加減。(vol.2に続く)

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