2007-09-29

Joe Cocker 1970

「ウイズ・ジョー・コッカー」Joe Cocker: Mad Dogs and Englishmen
(1971米ピエール・アディッジ)より “Cry Me a River” (3:50)

「ウイズ・ジョー・コッカー」Joe Cocker: Mad Dogs and Englishmen
(1971米ピエール・アディッジ)より “Delta Lady” (5:38)



同じ“Cry Me a River”でも、こちらは血わき肉おどるジョー・コッカー・ヴァージョン。ロックが上げ潮の時代で、聴くものすべてが新鮮だった。ロック・ミュージシャンたるもの皆自前の曲を世に問うている中にあって、ジョー・コッカーはほぼ一貫してカヴァーの人でした。ボックス・トップスの『あの娘のレター(ザ・レター)』、ビートルズの『ウイズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』、少し時代を経てビリー・プレストンの『ユー・アー・ソー・ビューティフル』などなど。いさぎよい人だなと思う。

個人的には1975年のアルバム「アイ・キャン・スタンド・ア・リトル・レイン」や翌年の「スティングレイ」がフェイヴァリットだが、Mad Dogs and Englishmen は大所帯のロック・パッケージ・ショーとして完璧だ、なんて言うと文句がでそうだが、「祝祭としてのロック・コンサート」を余すところなく体現していると思う。

“Delta Lady”は、ジョー・コッカーもしくは作者のリオン・ラッセルがオリジナルだと思われがちだが、リオンがリタ・クーリッジのために書いた曲だ。リタもまたこのツアーに参加していて『スーパースター』でフィーチャーされている。“Delta Lady”を一度終了してからリプライズするシーンは、百戦錬磨のソウル・マンなら涼しい顔でルーティーンとしてこなすところだが、ジョー・コッカーの途惑ったような、あるいはちょっとムッとしたような表情が可笑しい。

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