2007-10-03

Bing Crosby with Eddie Lang 1932



Uploaded by sirarnold
「ラヂオは笑ふ」The Big Broadcast (1932米フランク・タトル)より
“Dinah,” “Please”(3:22)



ビング・クロスビーは意外に黒っぽい。クロスビーは、ジャズ/ポピュラー・ミュージック史では一般的に「クルーナー」と分類されてきた。それ自体は画期的なことだが、単なるバラーディアーとみなされがちなのも事実。「ブルースの誕生」(1941)などを観てもわかるように、ジャズ感覚を相当濃厚に持った人だった。ちなみに「ブルースの誕生」を観て若きナベサダさんは、ジャズ・ミュージシャンを志したと聞く。本作の“Dinah”のスキャットの堂々たるスイング感はどうですか。

このクリップが貴重なのは、戦前の名ギタリスト、エディー・ラングの数少ない映像のひとつであるからだ。ビックス・バイダーベックフランキー・トランバウアーたちとともに伝説のジーン・ゴールドケット楽団や時代の寵児だったポール・ホワイトマン楽団で共演し、そこで同僚になったクロスビーが売り出すときのパートナー(のひとり)になるはずだった。ところが本作の翌年に手術中の出血がもとで死んでしまう。ラングの吹込みを聴くと、その音楽性の多様さに驚かされる。単にジャズ・ギターのパイオニアに留まるものではなかっただけに、その死が非常に惜しまれてならない。

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