2007-10-07

Nastassja Kinski 1982

「ワン・フロム・ザ・ハート」 One from the Heart
(1982米フランシス・フォード・コッポラ)より
『リトル・ボーイ・ブルー』 Little Boy Blue (5:15)



莫大な製作費をつぎこみ、わずかな興行収益しかあげられなかった「ワン・フロム・ザ・ハート」。2,600万ドルの製作費(当時1ドル=240円ぐらいか)の大部分はスタジオ内にそっくり作りこまれたラスヴェガス・ストリップと砂漠のセットに費やされたのだという。

プチ「呪われた映画」とでもいうべきこの作品、実は嫌いではない。少なくとも「コットンクラブ」(1984)の100倍ぐらいは好きだといっておこう。そりゃケチをつければいくらでもつけられると思う。曰く「ヴィットリオ・ストラーロのカメラがベルトルッチ作品ほどよくない」とか「トップ・ロールの2人(フレデリック・フォレストテリ・ガー)が魅力的でない」とか何とか。でもそんなの関係ネエ、とはいわないがトム・ウェイツの音楽とナスターシャ・キンスキーの美しさがそんな欠点を覆い隠していはしまいか。

トム・ウェイツ、実は苦手である。近年の、ビーフハートをただ汚くしただけのような歌声も、デビュー当時のうらぶれた街の吟遊詩人風もともに違和感があるのだが、この映画の音楽には素直に入り込めた。

サントラ盤にはウェイツが歌ったヴァージョンが収められている『リトル・ボーイ・ブルー』は、女優さんにはちとむずかしい歌だったかもしれない。吹き替えに関する情報は見つからなかったので、素人っぽさを露呈している弱々しい声はまぎれもなく本人のものだと思うのだが。

ところで同じシーンを3ヴァージョン収録したこのクリップは、DVDの特典映像か何かなのだろうか。映像のオプティカル処理も音楽のアレンジも(ヴォーカルのテイクもかな?)少しずつ違うのだが、公開ヴァージョンは最初のやつだったろうか。

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(2007.10.16追記)映像が削除されてしまいました。またアップされたら拾ってきましょう。

●ナスターシャ・キンスキーのフィルモグラフィ
●フランシス・フォード・コッポラのフィルモグラフィ
●トム・ウェイツのフィルモグラフィ
●ヴィットリオ・ストラーロのフィルモグラフィ

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