2007-10-03

Mae West 1970

「マイラ」Myra Breckinridge (1970米マイケル・サーン)より
“You Gotta Taste All the Fruit,” “Hard to Handle” (4:15)



戦後はずっと映画に出ていなかったメイ・ウエストの27年ぶりの映画出演だそうだ。長年スチール写真とその伝説的な名前のみの存在であった彼女の存在感が素晴らしい。ちなみに1893年生まれの彼女は本作撮影時には77歳の喜寿。YouTubeで戦前作品の断片を観ても、どうしてこんなケバいオバサンに人気があったのだろうと思ってしまうのだが、この映画ではハリウッド・イコン的な彼女の存在感を十分に活かしているように思う。

“You Gotta Taste All the Fruit” は、戦前の彼女が歌ってきたレヴューっぽい感覚をどこか残しつつ、撮影当時の最先端のビートと性的ほのめかしが直球な歌詞を伴った曲。オオッと思ったのはオーティス・レディングの“Hard to Handle”の選曲。このミスマッチを楽しむのが、スーザン・ソンタグ言うところの「キャンプ趣味」であろうか。

もともとゴア・ヴィダルの原作が相当キャンプ的なものだった(と言っても続編の「マイロン」(サンリオ文庫)しか読んでいないのだが)。レックス・リード(元々映画批評家、のちにゴング・ショーの審査員で有名になった)演ずるマイロンが性転換してマイラ(ラクェル・ウエルチ)になり、最後にまたマイロンに戻るという話なのだ。駆け出し中のファラ・フォーセット・メジャースがマイラの心中のマイロンの恋人として出演している。

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