「スーパーフライ」Superfly (1972米ゴードン・パークス・ジュニア)より
『プッシャーマン』Pusherman (3:24)
Wikipediaを見ると、この映画はBlaxploitation(ブラックスプロイテーション)映画などと分類されている。エクスプロイテーション映画の黒人版ということである。エクスプロイテーション映画とは何か? 簡単に言うと、日本でいうところの「プログラム・ピクチャー」のキワモノ版である。元来は否定的・軽蔑的な呼称であったが、ロジャー・コーマンのニューワールド・ピクチャーズの再評価などに伴って、良質のB級映画を含む作品群であるとの認識がされるようになってきた。
公開当時、日本ではブラック・ニューシネマという呼び方をしていたのではないか。なるほど『プッシャーマン』は、ニューシネマの代表作「イージー・ライダー」冒頭の『ザ・プッシャー』(ステッペン・ウルフ)に対応しているかもしれない。しかしながら“I'm your pusherman”である。毒気の強さは『ザ・プッシャー』の比ではなかろう。こんな歌をpushermenがうじゃうじゃいるクラブで歌って大受けとは。
それにしても気持ちの良いサウンドだ。2小節単位で繰り返す同一のベースラインの上に2つの分数コードが白玉でリフレインするAメロ。1回しか出てこないBメロ(サビ)。60年代には大メロディ・メーカーだったカーティスの70年代の到達点である。顔見せはこのシーンだけだが、劇中で使用された『スーパーフライ』、『フレディーズ・デッド』など傑作ぞろいだし、劇伴音楽のストリングスの緊張感も素晴らしい。
2007-08-22
Curtis Mayfield 1972
Posted by thornhill / 15:32
Tags: 1970s, C: Curtis Mayfield, FG: Blaxploitation Films, MG: Soul Music, N: USA, S: Curtis Mayfield
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