2007-08-19

Richard Manuel 1969


「ウッドストック」Woodstock(1970米マイケル・ウォドレー)アウトテイクより『怒りの涙』Tears Of Rage (5:19)



オリジナル版に入っていなかったザ・バンドの『怒りの涙』を取り上げるのは反則だと思うのだが、勘弁してください。この曲のリード・ヴォーカリストであるリチャード・マニュエルのアップばかりで他のメンバーの姿がちっとも見えないけれど、全く不満を感じさせない絶唱だと思う。思えばデビュー・アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」はこの曲で始まったのでありました。

ボブ・ディランとマニュエルの共作だが、ディラン・ヴァージョンは別曲かと思うほどドライな仕上がりで「泣き」がない。ザ・バンドのヴァージョンは「泣き」があるといってもベタベタに湿った手触りのものではなく、人生の諦観を感じさせる哀愁があるといったら陳腐な形容になるだろうか。1943年生まれのマニュエルはウッドストック当時は弱冠26歳だったわけで、その老成ぶりに改めて驚かされる。

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