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2008-02-29

李香蘭 Kouran Ri/Xianglan Li 02(1939)

「白蘭の歌 前篇」 (1939 東宝=満映・渡辺邦男) より抜粋
『いとしあの星』, 『何日君再来』, 『荒城の月』 (8:21)



2007-10-05

葛蘭 Ge Lan/Grace Chang 1960

「野玫瑰之戀」 Ye mei gui zhi lian / The Wild, Wild Rose
(1960香港Tian-lin Wang) より 『卡門(カルメン)』 Carmen (3:36)

「野玫瑰之戀」 Ye mei gui zhi lian / The Wild, Wild Rose
(1960香港Tian-lin Wang) より 『說不出的快活』 Ja'Jambo (1:48)



北京語で歌われるポップスをマンドポップまたはマンダポップというらしい。全くの門外漢には、グレース・チャン(葛蘭)の位置づけなど分かるはずもなく、またこの映画も当然未見です。すみません。服部良一生誕百周年記念に何かひとつエントリーしようと思って検索していて引っかかってきたのがこの人。

この当時の香港映画界は日本の監督やカメラマンを受け入れて技術交流をしている時代だった。「香港への道」(リュミエール叢書)の著者のカメラマン西本正氏がキーマンであった。この映画のカメラは西本氏ではないが、立派な絵作りの映画なので驚いてしまう。果たしてこれは日本映画界の技術移転の賜物なのであろうか。

ビゼーの『卡門(カルメン)』の編曲に服部良一がクレジットされている(といってもこれはアップロードした人のコメントに書いてあったもの)。ところで、服部良一はわざわざオリジナル編曲を頼まれたのだろうか。1947年にミュージカルで笠置シヅ子らが歌った『ジャズ・カルメン』の使いまわしなのではないかと推理しているのだが。

そう推測するのは『說不出的快活(ジャジャンボ)』が1955年の笠置の持ち歌だからだ。残念ながらオリジナル未聴につき、アレンジの異同については分からないのだが、『カルメン』の後半部分も含めて服部らしさが全開のアレンジだと思う。

グレース・チャンは基本的にはクラシックの歌い方を勉強した人らしいのだが、パンチがあってノリもよく、素晴らしい歌手だと思う。『カルメン』の前半の歌唱は矢野顕子を想起させる。あと関係ないけど顔はちょっと内田春菊に似ているかも。

この映画はオペラ「カルメン」の翻案らしくて、実はもう1曲服部がからまないクリップがあるのだが、いまひとつ面白味を感じなかったのでオミットした。興味のある方はこちらもご覧下さい。

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(2007.10.11 追記)
すみません。訂正です。笠置シヅ子の『ジャジャンボ』持ってました。3枚組CD「ブギの女王=笠置シヅ子」の3枚目に入っておりました。旗照夫とのデュエットで、アレンジはグレイス・チャンのものとほぼ同じ。ただ、冒頭に「ジャジャンボー」とブチ上げるのと終盤に2回転調してキーを上げていくのはグレイス・ヴァージョンだけの特徴。加えてヴォーカルのノリは圧倒的にグレイス・チャンの方がよい。笠置のCDの解説(筆者無署名)に、この曲は法華経のリズムをヒントに書かれたとあり、なるほどオリジナル版のヴォーカルはお経のようにベッタリした譜割とノリだわ。ちなみにこの曲は笠置のラスト・レコードでもありました(片面『たよりにしてまっせ』)。

●葛蘭のフィルモグラフィ
●葛蘭 @「香港映画の世界」
●Unofficial website of Grace Chang, Ge Lan
●Tian-lin Wangのフィルモグラフィ
●服部良一のフィルモグラフィ
●服部音楽出版 presents 「胸の振り子」

2007-09-10

李香蘭 Kouran Ri/Xianglan Li 01(1940)

「支那の夜 前篇・後篇」(1940東宝=中華電影公司・伏水修)より
『蘇州夜曲』その1(3:46)


「支那の夜 前篇・後篇」(1940東宝=中華電影公司・伏水修)より『蘇州夜曲』その2(2:30)

「支那の夜 前篇・後篇」(1940東宝=中華電影公司・伏水修)より『シナの夜』(7:40)


満映の関連会社とされる日中合弁の中華電影公司と東宝が製作した「国策映画」。長谷川一夫・李香蘭主演の「大陸3部作」の1本で、1作目「白蘭の歌」(1939渡辺邦男)、3作目「熱砂の誓ひ」(1940渡辺邦男)の間にはさまれた2作目にあたる。

「李香蘭=山口淑子」のデビューに当たっては満映2代目理事長の甘粕正彦の意図が大きく働いていたとも伝えられている。中国娘と日本の船員の恋愛ドラマはたしかに「五族協和」を意図したプロットなのだろうと思う。劇中李香蘭が長谷川一夫に平手打ちされながらも惹かれていくという描写が、中国国内で国辱的と受け取られた、あるいは「支那の夜」は中国国内では「上海之夜」として封切られたとも聞く。そんな経緯から戦後は「蘇州夜曲」と改題された。余談だが「支那」が蔑称であるなら、英語のChinaなどにも同様にクレームをつけてほしいものだと思うこともあるが、これ以上深入りしないことにする。

『蘇州夜曲』、『シナの夜』は映画では李香蘭が歌い、レコードでは渡辺はま子が歌った。もともとこの映画は渡辺はま子の『シナの夜』の大ヒット(1938年)にあやかって製作された経緯があり、一種の「歌謡映画」でもある。『蘇州夜曲』は西条八十作詞・服部良一作曲の日本歌謡史上屈指の傑作。『シナの夜』は西条八十作詞・竹岡信幸作曲の有名曲(現在では替え歌の春歌のほうが有名か?)。いずれも中国的な旋法を活かしたエキゾチックなメロディを持った曲だ。劇中にもう1曲『想兄譜』(西条=竹岡)があるのだが、今回は映像が見つからず紹介できなかった。

2007-08-12

笠置シヅ子 Shizuko Kasagi 1950


「ペ子ちゃんとデン助」(1950松竹・瑞穂春海)より
『買物ブギ』(3:52)



作詞:村雨まさを、作曲:服部良一となっているが、この「村雨まさを」は服部良一が作詞するときのペンネームなのである。よく話題になる「わしゃつ××で聞こえまへん」「これまため××で読めまへん」は単なるナンセンスで罪はないと思うのだがいかがだろうか。

この歌で思い出すのは相米慎二の「雪の断章」(1985東宝)で、ストーリーと全く関係がないシーンでこの歌がたしかフルコーラス使われたと記憶しているのだが、その後一度も観直していないのでちょっと自信がない。かなり変わった使い方だったが異様な迫力があって、映画のほかのシーンはほとんど忘れてしまったが今でもそのシーンははっきり憶えている。