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2008-01-07

横山リエ Rie Yokoyama 1972

「天使の恍惚」Ecstasy of The Angels
(1972若松プロ=ATG若松孝二)より
『ここは静かな最前線』(3:31)



またしても秋山道男であった。作詞出口出(足立正生)・作曲秋山道男。横山リエの横でギターも弾いている。デビュー当時の浅川マキを思わせる曲調と歌い方だと思う。マキさんはこんな拙い歌手ではないけれども。

歌の巧拙はともかく、横山リエが素晴らしい。正直言って映画自体は若松映画のうちでもつまらない作品のひとつだと思うが、横山が出ているというだけで価値がある。彼女のあまり数多いといえない作品を全部観たわけではないが、作品によってこれだけ違ったキャラクター・表情を見せてくれる女優さんも珍しい。映画デビュー作の「新宿泥棒日記」(1969大島渚)、本作、そしてジョニー大倉に殺される「遠雷」(1981根岸吉太郎)とあげていくと、とても同一人物とは思えない。

●横山リエのフィルモグラフィ
●秋山ミチヲのフィルモグラフィ
●秋山道男のフィルモグラフィ
●若松孝二のフィルモグラフィ
●若松孝二のフィルモグラフィ @ IMDB
●若松孝二 @ Wikipedia

●秋山未痴汚『ママ、ぼく出かける』

2007-09-27

秋山未痴汚(道男) Michio Akiyama 1969

「ゆけゆけ二度目の処女」(1969若松プロ・若松孝二)より
『ママ、ぼく出かける』 (2:32)



無印良品・六本木ヒルズ・チェッカーズ・小泉今日子を「プロデュース」したコピーライター秋山道男と若松プロの構成員(準構成員? って893か!)の秋山未痴汚の像がうまく重なり合わない。いや全然矛盾なく重なるよと言われれば、おのれの不明を恥じるだけなんだけど。余談だけど、ビートたけし(北野武といったほうがいいかな)が少女を暴行する男の一人として本作に出ているとのこと。こちらは妙に納得できちゃうけどね。

若松プロ作品をあまり数多く観ているわけではないが、イイなと思ったのは本作と「胎児が密猟する時」(1966)。いずれも足立正生が脚本を書き、今はなき原宿セントラルアパートで撮影された作品だ。それと大和屋竺監督作品が面白かった。

映画のあちこちにパラフレーズされている詩は中村義則という人が書いたということになっている。実在する人なのかどうか知らない。ひょっとしたら秋山の変名かとも思えるのだが。現に音楽担当の迷宮世界とは、秋山道男と小水一男のことらしいので、その可能性もあるかなと思っている。

『ママ、ぼく出かける』も中村義則の詩だとして蠍座のフライヤー(昔はチラシといった。上掲写真はトリミングされたもの)に掲載されている。ミラーがミラノになっていたり、ノーマン・メイラーがノーマル・メーラー(メール・ソフトかよ)になっていたり変なところはあるけど、耳で聴いただけじゃ分からないところがあったのでありがたい。映像の英字幕もかなり変だしね。

アメリカの黒人詩人に擬態して書いたと思しい詩のポエトリー・リーディング。あるいはテンションの低いジャックスといった趣もある。そう言えばジャックスも「腹貸し女」(1968)で若松映画の音楽を担当してるんだっけ。出演しているかどうかは未見なので知らないのだが。

参考までに、ラスト・シーンはこちらです。