「時計じかけのオレンジ」 A Clockwork Orange (1971英スタンリー・
キューブリック)より 『雨に唄えば』 Singin' in the Rain (3:14)『雨に唄えば』を歌いなが暴力・陵辱の限りを尽くすというアイデアは、アンソニー・バージェスの原作にはなく、撮影現場で急遽追加された演出なのだという。マルコム・マクダウェルが空で歌えるのはこの歌だけだったので選ばれたとのことだが本当だろうか。あまりにもハマリすぎている。クラシック音楽、とりわけベートーヴェンの第9シンフォニーが好きという設定とは矛盾するような気もするが、違和感は全くない。映画の終盤で正体がバレるときのキッカケとしても気が利いていると思う。
ドキュメンタリー映像などで人となりを見る限りでは、キューブリックは穏健で政治的にもリベラルな人物に思えるのだが、彼の作品からは暴力を憎みつつ魅せられてもいるというアンヴィヴァレントな志向性が感じられてならない。実はそれがヴァイオレンスを描く映画監督には必須な資質なのかもしれないと思ったりもするのだが。
2007-10-05
Malcolm McDowell 1971
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thornhill
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Tags: 1970s, D: Stanley Kubrick, N: USA, T: Singin' In The Rain
2007-10-04
Jean Hagen 1952
「雨に唄えば」 Singin' in the Rain (1952米ジーン・ケリー&
スタンリー・ドーネン)より 『雨に唄えば』 Singin' in the Rain (1:45)
ジーン・ヘイゲンはこの作品でアカデミー助演女優賞ノミネートを受けたということだが、彼女のキャリアにとってはあまりプラスには働かなかったようだ。これ以降はあまり映画出演がなくなり、TVドラマ・TVムーヴィーが彼女の活躍の場になる。晩年(77年に54歳で死去)の1976年には、日本でも放映されて人気のあった「刑事スタスキー&ハッチ」などに出ていたらしい。
ライノとターナー・クラシックス・ムーヴィーズが共同で出した「雨に唄えば・デラックス・エディション(2枚組CD)」のライナーには、にわかには信じがたい記述がある。デビー・レイノルズが無理やり吹き替えをやらされているこのシーンの歌は、実際にはジーン・ヘイゲンが録音したものをレイノルズが口パク(リップシンク)しているというのだ。『タミー』(1957)などのヒット曲を持つレイノルズのことだから、他の曲は彼女自身が歌っているのだと思うが、このシーンでの歌をヘイゲンが歌ったのだとすれば、ヘイゲンのプライドがそうさせたのであろうと想像する。
本ブログで、通常エントリーとは別立てに「映画における吹き替え、またはリップシンク論」をやってみたい気持ちに駆り立てられるエピソードだが、その実現はいつになることやら。
スタンリー・ドーネン)より 『雨に唄えば』 Singin' in the Rain (1:45)

ライノとターナー・クラシックス・ムーヴィーズが共同で出した「雨に唄えば・デラックス・エディション(2枚組CD)」のライナーには、にわかには信じがたい記述がある。デビー・レイノルズが無理やり吹き替えをやらされているこのシーンの歌は、実際にはジーン・ヘイゲンが録音したものをレイノルズが口パク(リップシンク)しているというのだ。『タミー』(1957)などのヒット曲を持つレイノルズのことだから、他の曲は彼女自身が歌っているのだと思うが、このシーンでの歌をヘイゲンが歌ったのだとすれば、ヘイゲンのプライドがそうさせたのであろうと想像する。
本ブログで、通常エントリーとは別立てに「映画における吹き替え、またはリップシンク論」をやってみたい気持ちに駆り立てられるエピソードだが、その実現はいつになることやら。
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Tags: 1950s, D: Stanley Donen, F: Singin' In The Rain, FG: Musical Films, N: USA, T: Singin' In The Rain
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