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2008-09-29

唐十郎 Juro Kara 1969

「新宿泥棒日記」 Diary of a Shinjuku Thief (1969 創造社=ATG 大島渚)
より 『愛の床屋』 A Barber of Love (1:24)



2008-01-07

横山リエ Rie Yokoyama 1972

「天使の恍惚」Ecstasy of The Angels
(1972若松プロ=ATG若松孝二)より
『ここは静かな最前線』(3:31)



またしても秋山道男であった。作詞出口出(足立正生)・作曲秋山道男。横山リエの横でギターも弾いている。デビュー当時の浅川マキを思わせる曲調と歌い方だと思う。マキさんはこんな拙い歌手ではないけれども。

歌の巧拙はともかく、横山リエが素晴らしい。正直言って映画自体は若松映画のうちでもつまらない作品のひとつだと思うが、横山が出ているというだけで価値がある。彼女のあまり数多いといえない作品を全部観たわけではないが、作品によってこれだけ違ったキャラクター・表情を見せてくれる女優さんも珍しい。映画デビュー作の「新宿泥棒日記」(1969大島渚)、本作、そしてジョニー大倉に殺される「遠雷」(1981根岸吉太郎)とあげていくと、とても同一人物とは思えない。

●横山リエのフィルモグラフィ
●秋山ミチヲのフィルモグラフィ
●秋山道男のフィルモグラフィ
●若松孝二のフィルモグラフィ
●若松孝二のフィルモグラフィ @ IMDB
●若松孝二 @ Wikipedia

●秋山未痴汚『ママ、ぼく出かける』

2007-10-08

三上寛 Kan Mikami 1974

「田園に死す」 Death in the Country aka Pastoral Hide and Seek
(1974人力飛行機舎=ATG 寺山修司)より 『カラス』 (2:13)



寺山修司の長編映画では「草迷宮」(1979)と遺作の「さらば箱舟」(1984)が好きで、それ以前の作品、たとえば本作などはあまり好みではない。リアルタイムでなくあと追いで観たせいかもしれない。寺山が意図したと思われる、象徴性を帯びた事物がうまく画面に定着していないような気がしたのだ。意味不明なところが難解と思われたフシも感じる。単純に下手くそな映画だったのかもしれない。

三上寛の情念系の歌はデビューしたころはスゴイと思ったものだが、今では苦手な部類かも。飄々としてユーモラスかつシュールな『なかなか』や『オートバイの失恋』は好きなのだけれど。『カラス』も情念系で直球な歌だなあ。このシーン以外に、三上がモノローグから突然アジるシーンもある。

●三上寛のフィルモグラフィ
●三上寛 @ Wikipedia
●寺山修司のフィルモグラフィ
●「田園に死す」Trailer

2007-10-05

城よしみ Yoshimi Jo 1969

「薔薇の葬列」Funeral Parade of Roses (1969 ATG 松本俊夫)より
『ベッドで煙草を吸わないで』(1:39)



スタンリー・キューブリックのフェイヴァリット作なんだそうだ。前エントリーの「時計じかけのオレンジ」(1971)には随所にその影響があるとのことだが、いつも映画をボーッとしか観ていないせいで、主人公のつけ睫毛ぐらいしか似ているところを見つけることができない。

松本俊夫といえば、実験映画の大御所であるとともに、映画界きっての理論家で「映像の発見」「映像の探求」「映画の変革」などの著書もある。どの本の記述かは忘れたが、映像の価値(というか映像作家の志向性といったほうが適切かな)を「モンタージュ」と「フォトジェニー」の2要素に行き着くということを言っていて、読んだ当時はなるほどと思ったものだが、いまは「音」「台詞」「音楽」を除外した論で一定の有効性しかない、と音偏重派の人間としては反論したいところだ。

その実験映画の「俊英」が手がけた初の劇映画が本作。ピーターこと池畑慎之介のデビュー作でもある。キワモノ的なゲイボーイの世界に「オイディプス神話(エディプス・コンプレックスはここからとられた概念。ピーター演ずるエディの役名もこれに由来する)」を持ち込んだり、ボードレールジョナス・メカスを引用するなどペダンティックなつくりの映画だ。また時制が入り組んだ構成は、アンゲロプロスジャームッシュ、さらにはタランティーノの映画を観てしまった現代の観客には普通のことだが、本作封切当時には新鮮だっただろうと想像する。

『ベッドで煙草を吸わないで』は、ここ数年来関心を持っている平岡精二
の曲だと思い込んでいた。岩谷時子作詞、いずみたく作曲、沢たまき歌で1966年に出た曲だったのね。どうしても旗照夫の『あいつ』やペギー葉山の『爪』と世界がかぶる曲なのだが。

あ、そうそうピーターの左の男は蜷川幸雄です。自分の芝居にはダメ出ししないんですね。